雙星牡丹(牡丹03)の消えた白い葉っぱの謎

皆さまこんにちは、藍蓮花です。

突然ですが、クイズです。

この花布、右と左の画像ではどこが違うでしょうか?

クイズの答えは…

白い丸で囲んだ部分です。

これは雙星牡丹(そうせいぼたん)という柄の台湾花布で、左は3尺(約90cm)幅、右は5尺3(約159cm)幅の生地です。

雙星牡丹という名称は、呉清桂氏が自身の著書の中で命名し使用しているもので、私は「華麗な双輪牡丹」と訳してみました。模様の中でいちばん目を惹くオレンジとピンクの二輪の牡丹の部分、これが雙星なのでしょう。

それでは3尺幅と5尺3幅の花布の違いを、濃ピンクの生地で説明していきましょう。

3尺(約90cm)幅

3尺幅の生地には、丸で囲んだ部分のような白い葉っぱの模様がところどころに見られます。

しかし、5尺3幅の生地には全くありません。

5尺3(約159cm)幅

牡丹叢という柄についての記事でも書きましたが、3尺幅が若干粗め、5尺3幅が滑らかな質感の生地のため、色の出方は微妙に違いますが、柄は全く同じです。

ではなぜ、白い葉っぱの模様だけが消えたのでしょうか。

もともと台湾花布は、各メーカーの垣根を越えて、全く同じデザインを使用したり、デザインの一部を組み合わせたりして柄を作り出していました。

これはあくまでも私の想像ですが、3尺幅ですでにあった雙星牡丹のデザインを、他のメーカーが、「うちは5尺3幅で作ろう。でも白抜きで柄を出すのは手間がかかるので、白い葉っぱは消しちゃおう。あとは黒とか濃い紫とか薄いピンクとか新しい色も出しちゃおう!」という感じで生産するようになったので、白い葉っぱが消えたのではないでしょうか。

この柄の花布をお持ちの方、ご自分の生地には白い葉っぱがあるかどうか、ぜひ探してみてください。

参考文献:

「台灣的設計寶庫 傳統花布圖樣150」
呉清桂 著

「收藏台灣最美麗的情感與記憶 台灣花布」
呉清桂 著

2020/07/26に投稿した記事をリライトして再投稿しました。

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